散文閲覧非推奨

酷く苦しくなる瞬間がある。それに前触れはない。闇の中で口を開けていると、いつの間にやら入ってきて私を蝕む。酷く。酷く。食道を通り胃の中で暴れ回る。消化出来ずに胃酸が拒否反応を起こす。食道まで戻り、喉の下に固まっていく。
それは瞬間ですら無いかもしれない。普段私が目を背けているだけで、私が生きている間延々といる。それと目を合わせてはいけない。認知してもいけない。賢く生きたければ無視し続けなければいけない。どのくらい。その体から甘さが無くなるまで。
なぜ人々が生きていられるか分からない。動物的に、子種を遺したいという本能ならばまだ理解出来た。なぜ生きるために生きている。なぜ生きることを強いられている。なぜ生きることを言い換えてまで生きようとする。それに比べたら死の方が余程意味のあることのように思えた。
死とは、最後の体のまぐわいなのだ。人と暗闇が、和解を果たす瞬間。冷たすぎて煩わしかったその闇は、自らが冷たくなることでお互いを許し合う。今までそれは受け入れて欲しくて泣いていたのだ。人肌を求め、入り込む度に拒絶されて、なぜ、なぜと癇癪を起こして。
未だ私の精神が成熟していないが故、その癇癪を宥めることはできない。ただ、抵抗したり、叱りつけたりするようなことは無くなった。気がついたら泣き疲れて消えていく。その度に小さく謝ることしか出来ないけれど。


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